顎関節症治療
- Q. 顎関節症の治療は保険が効きますか?
- A. はい、基本的には保険診療が適用されます。初診時の精密検査、診断、および治療用マウスピース(スプリント)の作成は、健康保険の範囲内で行うことができます。ただし、咬筋の緊張を和らげる「ボトックス治療」については、自費診療(自由診療)の扱いとなります。
- Q. 顎がカクカク鳴るだけなら、放っておいても大丈夫ですか?
- A. 痛みがない場合でも、一度「精密診断」を受けることをお勧めします。音が鳴るのは関節の中のクッションがズレているサインです。放置すると、ある日突然口が開かなくなる(クローズドロック)リスクがあります。
- Q. ボトックス治療の効果はいつから、どのくらい続きますか?
- A. 注入後3〜7日ほどで効果を実感し始め、通常3ヶ月〜6ヶ月程度持続します。定期的に継続することで、筋肉そのものが肥大しにくくなり、効果が長持ちするようになります。
- Q. マウスピース(スプリント)は一生使い続ける必要がありますか?
- A. 症状が安定すれば、毎晩使う必要がなくなることもあります。ただし、ストレスが溜まった時期だけ再開するなど、お守り代わりに持っておく方が多いです。
- Q. 顎の痛みが、実は他の病気だったということはありますか?
- A. はい、三叉神経痛や副鼻腔炎、稀に心疾患などが顎の痛みとして現れることがあります。当院では放射線学博士の知見から、歯科以外の疾患の疑いがある場合は速やかに専門医療機関をご紹介します。
顎の痛み・違和感の原因を突き止め、健やかな毎日を取り戻す
「口を開けるとカクカク音が鳴る」
「朝起きると顎が重だるく、口が開きにくい」
「食事中に顎が痛んで、硬いものが噛めない」
こうした顎の不調は、放っておくと肩こりや頭痛、全身の倦怠感にまでつながることがあります。
顎関節症は、単に顎だけの問題ではなく、噛み合わせ、生活習慣、およびストレスなどが複雑に絡み合って起こる「多因子性の疾患」です。
五反田のツツミ歯科クリニックでは、精緻な画像診断に基づき、顎の状態を科学的に把握。
その上で、マウスピース療法、ボトックス治療、認知行動療法といった多角的なメニューを組み合わせ、患者さま一人ひとりに最適な治療プランをご提案します。
【一覧表】顎関節症の主な症状と原因
まずは、ご自身の状態をチェックしてみましょう。
| 項目 | 具体的な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
主な症状 |
顎関節や筋肉の痛み、開口障害、関節音(クリック音) |
口を大きく開けられない、噛むと痛む、音が鳴る。 |
主な原因 |
ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)、TCH、ストレス |
筋肉の過緊張や関節への過度な負担が引き金となる。 |
二次的症状 |
頭痛、肩こり、耳鳴り、めまい |
顎の緊張が首や肩、頭部の筋肉にまで波及する。 |
あなたは大丈夫? 顎関節症の「4大症状」
顎関節症は、主に以下の4つの症状が単独、あるいは重なって現れます。
顎の痛み(関節痛・筋肉痛)
食べ物を噛むときや、口を大きく開けたときに、顎の関節や頬の筋肉が痛みます。
口が大きく開かない(開口障害)
指を縦に3本並べて入らない場合は、開口障害の疑いがあります。急に開かなくなるケース(クローズドロック)もあります。
関節が鳴る(関節雑音)
口を動かしたときに「カクカク」「パキッ」と音が鳴る(クリック音)、または「ジャリジャリ」と擦れるような音がします。
噛み合わせの違和感
急に噛み合わせが変わったように感じたり、顎がどこに収まっていいか分からない感覚に陥ったりします。
なぜ起こる? 顎関節症の「多因子的な原因」
顎関節症は一つの原因だけで起こることは稀です。
複数の要因が積み重なり、その方の「耐久力」を超えたときに発症します。
ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)
睡眠中の歯ぎしりや、仕事中に集中している時の食いしばりは、体重の数倍もの負荷を顎関節に与え続けます。
これにより関節の中のクッション(関節円板)がズレたり、筋肉が炎症を起こしたりします。
TCH(歯の接触癖)
「上下の歯を接触させ続ける癖」のことです。
通常、人間がリラックスしている時、上下の歯の間には1〜3mmの隙間があります。
しかし、スマホ操作や家事の最中に無意識に歯を当て続けていると、微弱な力でも長時間続くことで顎の筋肉が疲弊し、発症の大きな原因となります。
ストレスと生活習慣
精神的なストレスは食いしばりを増幅させます。
また、「片側だけで噛む癖」「頬杖をつく」「猫背(うつむき姿勢)」といった日常の何気ない姿勢の崩れが、顎のバランスを歪ませる要因となります。
放射線学博士だからできる「顎関節の精密読影」
顎関節症の治療において最も大切なのは、「今、顎の関節の中で何が起きているか」を正確に知ることです。
顎の関節を形成する「下顎頭(かがくとう)」の形が変形していないか、骨の表面が滑らかか。
これらは通常のレントゲンでは判別が困難です。
当院ではCTを用い、骨の形態異常や関節の隙間の状態を立体的に診断します。
原因が「骨や関節円板」にあるのか「筋肉」にあるのかを明確に切り分けることが、正しい治療への第一歩です。
当院の多角的な治療アプローチ
顎関節症の改善には、痛みを取る「対症療法」と、原因を取り除く「原因療法」の両面が必要です。
当院では、以下の3つのアプローチを組み合わせ、関節・筋肉・行動のすべてを整えていきます。
マウスピース療法(スプリント療法)
~顎関節の「安静」と「正しい位置」を取り戻す~
当院で作成するマウスピース(スプリント)は、単に歯を保護するだけの硬い板ではありません。
顎の関節を理想的な位置へ導くための「精密な治療装置」です。
顎関節の安静と除圧
上下の歯の間に適度な厚みのマウスピースを介在させることで、顎関節の中に「隙間」を作り、圧迫されていた関節円板(クッション)や組織への負担を軽減します。
筋肉の緊張緩和
マウスピースを装着することで、噛み合わせのバランスが一時的に整い、過度に緊張していた頬や側頭部の筋肉がリラックスした状態になります。
夜間のダメージ防止
寝ている間の無意識な歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)は、体重の数倍の力がかかると言われています。
マウスピースがこの衝撃を吸収・分散し、顎関節と歯を守ります。
ボトックス治療(ボツリヌス療法)
~「噛む力」の過緊張をコントロールする~
マウスピースだけでは十分に筋肉の緊張が取れない場合や、食いしばりが強すぎて顎の痛みや頭痛が慢性化している方に非常に有効な自費診療メニューです。
顔面の解剖学的構造を熟知した院長が、神経や血管を避け、最も効果的なポイントへ正確に注入します。
咬筋の働きを適度に抑制
ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質を、噛む筋肉(咬筋)に注入します。
これにより、脳からの「強く噛め」という指令が筋肉に伝わるのを適度にブロックし、筋肉の過度な活動を抑えます。
「力」の元を断つ
食いしばりのパワーそのものを弱めるため、顎関節への負担が劇的に減り、痛みや開口障害の早期改善が期待できます。
副次的なメリット
筋肉の強張りが取れることで、連動して起こっていた慢性的な肩こりや偏頭痛が軽減される方も多くいらっしゃいます。
認知行動療法(TCHの正式と習慣改善)
~再発させないための「無意識の癖」へのアプローチ~
どんなに良い装置や薬を使っても、日中の悪い習慣が残っていれば症状は再発します。
当院では、患者さまご自身の「気づき」を促す指導を重視しています。
TCH(歯の接触癖)の是正
本来、上下の歯が接触している時間は、食事や会話を含めても1日合計20分程度と言われています。
それ以外の時間に歯が触れている癖(TCH)を自覚し、「歯を離す」ことを脳に覚え込ませます。
リマインダー法の活用
パソコンのモニターやスマートフォンの裏など、目につく場所に「歯を離す」「リラックス」といった合図(シールなど)を貼り、無意識の噛みしめに気づく回数を増やしていきます。
生活環境のチューニング
猫背やスマホの長時間使用、頬杖、片側噛みなど、顎に負担をかける姿勢や動作を洗い出し、一つずつ改善していくための具体的なアドバイスを行います。
よくあるご質問(Q&A)











